【中国健康法】四十肩・五十肩の新アプローチとは?中医師・稲葉貞子先生に聞く
今回は中医師・稲葉貞子先生ご本人の体験と、独自の治療法についてご紹介します。
■稲葉貞子先生プロフィール
中国吉林省出身、日本と中国で多数の国家資格を保有。北里大学東洋医学研究所で鍼灸研修を修了し、現在は東京安泰漢方鍼灸院の院長として活躍中です。
経絡に基づく独自の治療法
一般的な治療とは異なり、稲葉先生は「お腹のツボ刺激」で四十肩・五十肩を改善する方法を実践しています。経絡理論に基づき、任脈や陽明経を刺激することで肩の痛みが和らぎ、動かしやすくなるというもの。特に女性の患者に効果が高く、実際に多くの喜びの声が寄せられているそうです。
ご自身も五十肩を体験
稲葉先生自身も49歳のときに五十肩を発症。三角筋周辺に違和感を覚え、やがて強い痛みや夜間痛に悩まされました。臨床で学んだ知識が、自身の体験と結びついた瞬間だったと語ります。
昔の治療法と現在のアプローチの違い
かつては、痛みが強い時期には薬物療法で緩和し、その後はリハビリや鍼灸、マッサージなどを取り入れるのが一般的でした。しかし研修時代、「黄帝内経(こうていだいけい)」を再読することで、新たな視点を得たといいます。
「黄帝内経」に学ぶ女性の体と経絡
黄帝内経には女性の加齢に伴う経絡の衰えが記されており、
- 35歳で陽明脈が衰える
- 42歳で三陽脈が衰える
- 49歳で任脈・衝脈が弱まる
など、女性の体の変化と密接に関係していることが分かります。若い頃には理解できなかった文献の意味が、自身の体験と照らして初めて腑に落ちたそうです。
実践できるセルフツボ刺激
稲葉先生がすすめるセルフケアは以下の3点:
- 任脈(腹部)のツボを10分ほどやさしく刺激
- 足陽明胃経のツボ(膝〜足首)をゆっくりと押す
- 肩の痛みがある部位を含む経絡(手三陽)のラインを確認し、やさしく揉む
これらを日常的に行うことで、痛みの緩和や可動域の改善が期待できます。
四十肩・五十肩は西洋医学では「肩関節周囲炎」とされ、はっきりとした原因が分からないこともあります。そんなときこそ、東洋医学の視点を取り入れてみる価値があるのではないでしょうか。
ちょっとした工夫で、日常の痛みを和らげる一歩になるかもしれません。
【中国語版】
【中国健康法】中医新视角看四十肩・五十肩——专访中医师稻叶贞子
本次,我们采访了中医师稻叶贞子老师,由她亲自讲述自己治疗四十肩、五十肩的独特经验与方法。
■稻叶贞子老师简介
出生于中国吉林省,拥有中国中医师资格以及日本的针灸按摩等多项国家认证。曾在北里大学东洋医学研究所完成针灸临床研修,目前担任东京安泰汉方针灸院院长。
经络疗法的独特应用
不同于常规治疗,稻叶老师采用“腹部穴位刺激”的方法来缓解四十肩、五十肩症状。通过刺激任脉、阳明经等相关经络,能够减轻疼痛、扩大肩部活动范围,提升生活质量。尤其在女性患者中,此法反响良好,获得众多积极反馈。
亲身经历的五十肩
49岁那年,稻叶老师本人也经历了五十肩的困扰。最初是三角肌区域的轻微不适,渐渐发展为肩关节活动受限,并伴有夜间剧痛。她表示,这段经历让她对书本中描述的疼痛有了切身理解。
从传统到创新的转变
在接受系统中医研修前,她主要采用药物缓解疼痛,并配合适度的康复训练或针灸、按摩等辅助治疗。而在研修过程中,通过重读中医学经典《黄帝内经》,她对治疗有了全新的认识。
从《黄帝内经》中理解女性体质与经络变化
《黄帝内经》详细记载了女性随年龄增长而产生的经络变化:
- 35岁时阳明脉开始衰弱
- 42岁三阳脉减退
- 49岁任脉、冲脉逐渐虚弱
这些经络的变化与女性的生理状况密切相关。年轻时不易理解的古文内容,因自身的亲身经历而变得通透明了。
简单易行的自我保健法
稻叶老师推荐以下三种日常可执行的穴位自我刺激法:
- 轻柔按压腹部任脉上的穴位,约10分钟
- 刺激足阳明胃经上,膝盖至脚踝之间的穴位
- 根据肩膀痛点所在,辨认手三阳经络,并轻揉该线路
通过日常坚持这些方法,有望缓解疼痛、改善肩部活动度。
西医将四十肩、五十肩归类为“肩关节周围炎”,但往往难以找到明确病因。此时,尝试从中医学角度出发,不失为一种有效的补充疗法。或许,一点点日常的调整,就能让生活中的痛感逐渐缓和。