夏至ってなに?――日本・中国・韓国の風習の違いとは?
「夏至(げし)」とは、1年のうちで最も昼の時間が長い日のことです。北半球では、太陽がもっとも高くのぼり、日照時間が最大となります。2025年の夏至は6月21日(土)です。
この「夏至」は、中国の古い暦「二十四節気(にじゅうしせっき)」のひとつで、太陽の動きをもとに1年を24の節目に分けたものです。日本や韓国にもこの暦が伝わり、季節を感じる目安として今でも使われています。
では、同じ「夏至」でも、日本・中国・韓国ではどんな風習があるのでしょうか?ここでは、3つの国をくらべながら、それぞれの夏至の特徴を見ていきましょう。
日本の夏至
日本では、夏至のころは**梅雨(つゆ)**の真っただ中。雨やくもりの日が多く、太陽の存在をあまり感じられないことも多いです。そのため「昼が長い」といっても、あまり実感がないかもしれません。
昔の農村では、この時期は田植えの最盛期でした。現在では全国的な夏至の行事はあまり見られませんが、夏至の約10日後に訪れる「半夏生(はんげしょう)」という日に、地方によって風習があります。
たとえば関西地方では、タコを食べる習慣があります。タコの足のように、作物がしっかり根を張るようにとの願いが込められています。また、奈良県や和歌山県では、**麦の粉で作った餅(半夏生餅)**を供えて、田んぼの神様に感謝をする風習もあります。
中国の夏至
中国でも、夏至は「夏至(xià zhì)」と呼ばれ、古くから大切にされてきました。かつては女性のお祭りとされていた時代もあり、祭礼や祈りの行事が行われていた地域もあります。
現在の中国では、地域によってさまざまな風習がありますが、特に知られているのが「夏至に麺を食べる」習慣です。暑さをしのぐために、冷たい麺(凉面)を食べて体を冷やすという意味があります。
また、南部の一部の地方では「**夏至一到,午觉不能少(夏至が来たら昼寝を欠かすな)」という言い伝えもあり、夏の暑さに備えて、昼寝をして体力を温存するという生活の知恵も見られます。
韓国の夏至
韓国でも夏至は「하지(ハジ)」と呼ばれ、二十四節気のひとつとして知られています。ただし、現代の韓国では、夏至に特別な行事を行うことはあまりありません。
伝統的には、夏至は農繁期(のうはんき)にあたり、田植えや麦刈りの時期と重なっていました。季節の変わり目に体調を整えるため、滋養のある料理を食べる習慣があります。
たとえば、夏の暑さに備えて**参鶏湯(サムゲタン)**という薬膳スープを食べる家庭も多く、夏至は体調管理のきっかけともなっています。
まとめ
同じ「夏至」でも、日本・中国・韓国では気候や文化のちがいにより、風習もさまざまです。
日本では田植えと関係が深く、中国では冷麺や昼寝の習慣があり、韓国では体力をつける食文化が見られます。
夏至は太陽の力がもっとも強まる日。自然とともに生きてきた人々の知恵や願いが、それぞれの国の風習にあらわれているのです。
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【中国語版】
夏至是什么?——中日韩的风俗有何不同?
“夏至”是北半球一年中白天时间最长的一天。这一天,太阳升得最高,从日出到日落的时间也最长。2025年的夏至是6月21日(星期六)。
“夏至”是中国古代历法中“二十四节气”之一。这一节气系统根据太阳的运动将一年分为24个时段,用来指引农业活动。后来,二十四节气也传入日本和韩国,成为这两个国家季节划分的重要参考。
虽然夏至的日期相同,但日本、中国、韩国的气候、文化和生活习惯不同,形成了各具特色的夏至风俗。以下我们就来比较一下这三个国家关于夏至的传统与文化。
日本的夏至
在日本,夏至时期正值梅雨季节,天气多阴雨,阳光稀少。因此,即使是白天最长的一天,很多人也感受不到“日照变长”。
在农业社会,这段时间是水稻插秧的高峰期。虽然现代社会中夏至并没有全国统一的节日活动,但在“夏至”之后约十天的“半夏生(はんげしょう)”这一天,不同地区有一些传统习俗。
例如,关西地区有吃章鱼的习惯,寓意稻子的根能像章鱼的脚一样牢牢扎根土地。奈良县和和歌山县等地则会制作“半夏生年糕”,供奉田神,祈愿五谷丰登。
中国的夏至
在中国,“夏至(xià zhì)”是传统二十四节气中的重要节气。古代部分地区还把夏至视为女性的节日,举行祈福或祭祖活动。
现代中国在不同地区也保留着一些特色风俗。其中最有代表性的习惯是:夏至吃面。人们通常会吃凉面,帮助降温解暑。
此外,在南方一些地区还有“夏至一到,午觉不能少”的说法,强调中午小睡对身体健康的重要性。
韩国的夏至
韩国将夏至称为“하지(哈吉)”,虽然它在传统农历中依然存在,但现代韩国并不太重视这个节气,几乎没有特定的庆祝活动。
在过去的农耕社会中,夏至是农忙期,农民忙于插秧或收割麦子。现在,为了应对即将到来的酷暑,许多家庭会食用滋补食物,例如参鸡汤(삼계탕)等,以增强体力、预防中暑。
总结
虽然“夏至”在中日韩三国都属于同一个节气,但在不同文化中展现出不同的形式。
- 日本的夏至与农事密切相关,特别是与“半夏生”相关的风俗。
- 中国的夏至以吃凉面、注意养生为主。
- 韩国则更重视通过饮食调养身体,准备迎接酷热。
夏至不仅是一个天文现象,更是各国人民适应自然、尊重季节的文化体现。通过对比,我们可以更深入地理解东亚国家与自然的关系与智慧。