愛するペットと豊かに暮らす高齢者向け施設の選び方｜専門家が語る後悔しない秘訣
「ペットとともに安心して暮らせる施設を探しています」
近年、高齢者向け施設への関心が高まる中、「ペットと一緒に入居できる施設はありますか？」という問い合わせが急増しています。しかし、入居後に「思っていた生活と違った」と後悔する声が少なくないのも事実です。
そんな中、ペット共生型施設の専門家である弓達隆章氏は、「施設の設備や環境が本当にペットとの生活に適しているかを確認することが重要です」とアドバイスしています。
ペット共生型施設が注目を集める理由
ペットは私たちに癒しや喜びをもたらしてくれる大切な存在です。そのため、高齢になってもペットと共に暮らしたいと願う人は少なくありません。一方で、高齢になると健康や生活環境の変化からペットの飼育が難しくなるケースも増えてきます。このような背景から、ペットと安心して暮らせる環境を提供する「ペット共生型施設」が注目されています。
1. ペットの存在がもたらす健康・心理的メリット
研究によれば、ペットとの生活は高齢者の健康維持に寄与することがわかっています。ペットとの触れ合いはストレスを軽減し、孤独感を和らげる効果があり、心身の健康促進につながるとされています。また、犬の散歩など日常的な運動習慣を自然に取り入れるきっかけにもなります。2. 社会的ニーズの高まり
近年、「ペットは家族」という価値観が定着しつつあります。この意識変化に伴い、シニア層でも「最後までペットと一緒にいたい」というニーズが急増しています。地域包括支援センターや高齢者施設への「ペット共生型施設に関する相談件数」が増加しているのもその一例です。
3. ペットを手放さずに安心して暮らせる環境
高齢になると、引っ越しや入院など生活の変化によってペットと離れるリスクが高まります。ペット共生型施設は、こうした不安を解消するための選択肢として注目されています。施設によっては、飼い主が体調を崩した場合にペットの世話をサポートする体制が整っているため、安心して暮らせる環境を提供しています。
4. 先進的な施設運営とサポート体制
ペット共生型施設の多くは、単に「ペット可」なだけではなく、入居者とペットが快適に過ごせるための設計やサービスを導入しています。たとえば、獣医師や愛玩動物看護師が常駐してペットの健康管理をサポートしたり、ペット専用の設備（足洗い場、ドッグランなど）が完備されていたりします。また、地域や自治体とも連携し、ペット共生型の暮らしを広げる取り組みが進められています。
高齢者施設を選ぶ際の3つの注意点
1. ペット専用設備の有無
ペットの足洗い場、専用シャワー、施設内ドッグランなどが整備されているかを確認しましょう。これらの設備は、日々の生活の快適さを大きく左右します。また、ペットが施設内を移動しやすい設計かどうかも重要です。
2. ペットの行動範囲の制限
ペットとともに施設内を自由に行動できるエリアが限られている場合があります。他の入居者とのトラブルを避けるためにも、事前に行動範囲の詳細を確認してください。
3. 飼い主不在時の対応
万が一、飼い主が入院した場合や体調を崩した際に、施設スタッフがペットの世話をサポートする体制があるかも大切なチェックポイントです。また、契約内容に基づき、ペットのケアや飼い主が先立った際の対応についてもしっかり確認することをおすすめします。
大阪市にある「ペピイ・ハッピープレイスTAMATSUKURI」は、ペット共生型有料老人ホームの代表的な存在です。入居者の大道欣孝さん（81）は、愛犬ローラとともに同施設に入居。「ここに住むことで、またペットと一緒に過ごす楽しさを実感しています」と語ります。施設内には屋上ドッグランやペット専用プレイルームがあり、入居者とペットが快適に過ごせる環境が整っています。
