教育への思いは世界共通? ――中国の“内卷”が日本にも浸透?
「子どもにいい教育を受けさせたい」「将来のために準備をしてあげたい」――。
この想いは、世界中の親に共通するものだと思います。中国でも日本でも、親の目線の先には子どもの幸せな未来がある。それは変わりません。けれど、教育に対する“向き合い方”には、国や文化によって大きな違いがあります。
中国の教育現場で話題の「内卷」
今の中国では「内卷(ネイジュエン)」という言葉が社会問題として注目されています。
意味は「過剰な競争でみんなが疲れてしまう」こと。教育の世界では、これが極端に表れています。たとえば「鸡娃(ジーワー)」と呼ばれる親たちは、子どもに幼いころから塾や習いごとを詰め込み、常にトップを目指すように仕向けます。
教育に疲れ、日本を選ぶ家庭も
そうした競争に疲れた中国の家庭の中には、「もっと落ち着いた環境で子育てをしたい」と考え、日本へ移住する人も増えています。
東京・文京区などは、教育環境が整い、治安もよく、東大をはじめとする有名校が集まっていることから、特に人気があります。
でも、日本でも始まってしまう“競争”
ところが、いざ日本に住み始めると、また似たような教育競争に巻き込まれることがあります。「有名校の近くに引っ越す」「小1から塾に通わせる」「受験に向けて先取り学習を始める」など、中国でのスタイルをそのまま持ち込んでしまう家庭もあります。SNSで他の家庭と比較し、焦りを感じてしまう…そんな声もよく聞かれます。
日本人家庭との考え方のギャップ
日本では、「子どもはのびのび育てたい」「自然に学んでいく姿を見守りたい」という親が多く、教育に対しても“競争”より“個性”を重視する傾向があります。そのため、教育熱心な中国の家庭と価値観の違いに戸惑う場面も少なくありません。
「せっかく内卷から逃げてきたのに、日本でも同じことをしている…」と、悩む中国人の親もいます。
ちょうどいい教育”って何だろう?
教育はたしかに大切。でも、やりすぎて子どもや親が疲れてしまっては本末転倒です。いまや日本には、さまざまな国から来た家庭が暮らし、子育てをしています。だからこそ、「自分たちの教育のあり方って何だろう?」と、立ち止まって考えるきっかけが増えているのかもしれません。文化の違いを認め合いながら、子どもにとって“ちょうどいい教育”を見つけていけたら、それが本当の意味での「グローバルな子育て」なのかもしれませんね。
【中国語版】
教育的期待是全球共通的吗?
—中国“内卷”是否也传到了日本?教育观念交汇下的困惑
父母的心愿无国界
“想让孩子接受良好的教育”“希望为孩子的未来打下基础”—
这种愿望,是世界各地父母共有的。无论在中国还是日本,父母的目光总是投向孩子的幸福未来。
然而,对于教育的“态度”和“方式”,在不同国家和文化背景下,往往存在很大差异。
中国教育界的热门词:“内卷”
如今在中国,“内卷(nèijuǎn)”已成为一个备受关注的社会话题。
它的意思是“过度竞争让每个人都感到疲惫”。在教育领域尤为明显。“鸡娃”父母为了不让孩子输在起跑线上,从小就安排各种补习班和兴趣班,日程满满当当。
为了寻找平静的教育环境而移居日本
有些在这种竞争中感到疲惫的中国家庭,开始选择移居到日本,寻求更加平和的育儿环境。
特别是东京的文京区,由于教育资源丰富、安全清洁、拥有东京大学等知名学府,因此深受欢迎。
可是在日本,竞争又悄然开始
然而,一旦在日本生活,一些家庭又不自觉地走上了熟悉的“教育竞争”之路。
搬到名校附近、从小学一年级开始上补习班、提前进行升学准备等,这些行为在中国常见,在日本也开始上演。
通过社交媒体比较孩子的成绩,关注其他家庭的教育方式,这种“焦虑感”也悄然蔓延。
与日本家庭之间的教育观差异
日本很多家庭倾向于“让孩子自由成长”“尊重孩子的个性”,不太喜欢过度竞争。
这与中国家庭重视成绩和效率的做法存在明显差异。
不少中国家长因此感到困惑,甚至有些人会反思:“我们不是为了摆脱‘内卷’才来日本的吗?怎么又陷入了同样的循环……”
什么才是“刚刚好”的教育?
教育当然重要,但如果因为过度竞争而让孩子或家庭身心俱疲,那就本末倒置了。
如今,在日本生活的外国人越来越多,来自不同国家的家庭共同育儿已成为常态。
也正因如此,我们更需要彼此理解不同的教育观念,一起探索一种“不过度、不焦虑、刚刚好”的育儿方式。
也许这,才是真正属于这个多元时代的“全球化育儿”。