
【登山】 木曽御嶽山 女人堂泊
みなさん、こんにちは。
国際部マネージャーのSです。
今回は、長野県木曽郡木曽町・王滝村と岐阜県下呂市・高山市にまたがる高峰、日本百名山のひとつ、御嶽山に1泊2日で登ってきました。個人的には2年ぶり2度目の御嶽山です。
※山行:2025年7月22日~7月23日

元々はテント泊で白峰三山縦走の予定だったのですが、日が近づくにつれ、天気予報が悪化・・ 多少の雨ならこの時期仕方ないと割り切りますが、標高3,000メートル級のテント場で雷はちょっとご勘弁ということで、予定変更。天気とか行程とかいろいろ考慮して御嶽山に決めました。
まずアクセスから。
自宅を5時頃に出発して、八王子から松本行きの中央本線で塩尻駅へ。塩尻駅から名古屋駅行きの特急しなのに乗り換え木曽福島駅に着いたのが10時30分。ここまでで既に5時間半。新横浜から名古屋まで新幹線を使えば3時間程度で来ることはできるのですが、新幹線使うと料金も3倍くらいになってしまうので、金欠の私にはとても無理。朝少しゆっくりできるくらいでバスの時間は結局一緒になってしまうので、新幹線や特急あずさは使わずのんびり電車旅。
細かい話をすると、塩尻駅まではJR東日本エリア、塩尻駅から木曾福島駅まではJR東海エリアのため、できれば朝電車を乗る際に塩尻駅までの切符を買っておいたほうが精算が楽かと思われます。いつも思うけど、JRの管轄またいだ場合の運賃支払いの煩雑さ、なんとかならないもんでしょうか・・
10時30分 木曽福島駅到着

10時40分 バスに乗って登山口に向けて出発

11時31分 黒沢口六合目中の湯の登山口に到着
ここには駐車場のほか、トイレ、休憩所があります。ただ、水道、自販機などはないため、飲み物の補充はできないので、要注意。バス乗っている途中から雲行きが怪しくなってきたので、雨降らないといいなぁと思っていたのですが、バス停着く少し手前から雨が降り出したため、上下レインウェアを着て出発。

トレイルに入ってゆきます。歩き始めて10分ほどで雨も止んだので、暑くてレインウェアは脱ぎました。

12時17分 飯森小屋
ここは長らく営業していない模様です。

12時26分 行場山荘(七合目)到着


今のところなんとかお天気もっていますが、午後は雷雨予報なので、休憩はせずに先に進みます。


13時4分 女人堂(八合目)到着
1時間程度しか歩いていないし、時間としてはまだ早いので気持ち的には先に進みたいのですが、本日は女人堂さんに宿泊(事前予約済み)。夏山の午後は雷雨が怖いので、発雷確率が高いときは無理しないのが一番です。この日も案の定女人堂さんに到着する手前から一気に大雨に。


こちらがお部屋。3連休明けの平日ということもあってこの日の宿泊者は私含めて3組のみ。この広い和室を貸し切りなので快適そのもの。今日は小屋までの移動日として割り切っているので外の雨を眺めたり昼寝をしたり。


16時手前くらいに雨が止んだタイミングがあったので、しばらく小屋周辺をぶらぶら。

相変わらず雷はゴロゴロ鳴っています(しばらくしたら、また雨が降ってきました)。

こちらの写真の右側のロープ張ってある箇所は女人堂から三ノ池へのトラバースルートの入り口なのですが、ルート上の雪渓がまだ残っていて危険ということで通行禁止でした(7月23日時点)。

夕飯は17時30分から。1階の大広間で食べます。他の宿泊者の方と山の話とかいろいろお話しできて楽しい時間が過ごせました。
※ビールは別料金。ご飯はおかわりできます。

こちらが女人堂さんの大広間。夕飯の時間帯にはテレビもつけてもらえるのでニュースや天気予報を確認できます。ネットも問題なくつながりました。なお、消灯時間は20時。コンセントの数は限られますが、消灯時間前までは充電もさせてもらえるので助かります。明日は深夜出発なので、早めに就寝。


さて、二日目。山頂でご来光を拝むため深夜3時20分に女人堂さんを出発(剣ヶ峰・王滝頂上周辺では火山噴火への警戒からヘルメット着用が推奨されているため8合目から上ではヘルメットを着用しました)。私のスマホと技術ではきれいに撮れませんでしたが、星空がほんとにきれいで、今日のお天気は期待できそうです(午後からはまた崩れる予報なので、午前中に下山予定)。

4時過ぎるともうだいぶ明るくなってきました。雲海がすごい。

こちらは剣ヶ峰山頂直下の緊急避難用シェルター

剣ヶ峰山頂直下には2014年9月の噴火災害慰霊碑があります。
ヘルメットを脱いで黙祷。山というのは美しいですが、時に恐ろしいもの。当時はまだ登山に頻繁に行くようなことはなかったですが、ニュースに映し出された噴火の映像は今でも頭に残っています。


4時23分 剣ヶ峰(標高:3,067m)到着
この剣ヶ峰が御嶽山の最高点です。山頂には御嶽教の神殿が築かれ社務所が建っています。この日も日の出の時間に社務所の方が祈祷をされていらっしゃいました。360度視界が開けているので、眺望は抜群です。歩いているときはウィンドシェル着る程度で問題なかったですが、早朝日の出を見たりするのであればダウンやフリースなどの防寒着もプラスであったほうが良いと思います。風もあってけっこう寒かったのでダウンを着ました。


こちらは一ノ池。

こちらは継子岳方面。手前が二ノ池。遠方に乗鞍岳や北アルプスの山並を眺めることができます。

こちらは王滝頂上方面

中央・南アルプスの山々。真ん中にヒョコっと富士山も見えます。

そうこうしているうちに東の空から日が昇り始めました。


きれいな日の出と雲海を見ることができて暗いうちに出発した甲斐がありました。無事日の出も見れたので、そろそろ移動しましょう。

剣ヶ峰から王滝頂上に向けて歩きます。ここは八丁ダルミと呼ばれて2014年9月の噴火の際にも被害の大きかった箇所です。故に植物なども生えていません。ルート上にロープが張られていてロープ外に立ち入ることは禁止されています。




八丁ダルミから剣ヶ峰を振り返って

脇の方に目をやると今も噴煙を上げているのが見えます。

5時12分 王滝頂上(標高:2,936m)到着




王滝頂上に寄った後はトラバースルートで二ノ池へ。二ノ池は2014年9月の噴火以前は水を湛えていたようですが、現在はご覧の通り水はありません。左斜面に少し雪渓が残っています。右手に小さな池ができているのは雪解け水によるものでしょうか。


こちらの植物はオンタデ。御嶽山でよく見かけますが、実際御嶽山が名前の由来になっているそうです。

こちらは二ノ池のほとりに立つ二ノ池山荘。二ノ池山荘さんのホームページを見ると噴火当日の記録や写真なども出ているので、一度読んでみてください。

二ノ池山荘さんの先をさらに進んで北御嶽と呼ばれるエリアに向かっていきます。

こちらが二の池ヒュッテ。担々麺が有名ですが、残念ながらタイミングが合わず食べれておりません。

賽ノ河原


5時52分 白竜避難小屋通過

6時0分 摩利支天乗越展望台到着


摩利支天乗越にザックをデポして摩利支天山に向かっている途中ライチョウの親子に遭遇。雛鳥がかわいらしい。




6時10分 摩利支天山(標高:2,959m)到着


摩利支天山から二の池ヒュッテのほうを振り返るとちょうどヘリによる荷揚げをしていました。この日二の池ヒュッテ以外の小屋も荷揚げをしていたようで、ヘリが何度も行き来していました。

一度摩利支天乗越まで戻って、さらに北に進んでいくと継子岳や三ノ池などを一望できるようになります。北御嶽は2014年の噴火の影響をほとんど受けていないため、剣ヶ峰・王滝エリアとは風景が全く異なります。


三ノ池

しばらく歩くと五の池小屋に到着しました。いま五の池小屋は大人気で予約がとりづらいらしいです。山小屋というよりはおしゃれでこじんまりとしたリゾートホテルみたいな雰囲気。


6時48分 飛騨頂上(標高:2,811m)到着 ※五の池小屋のすぐ裏です。

ここからぐるっと周回するため、継子岳に向けて歩いていきます。


飛騨頂上から継子岳の稜線はコマクサの群生地でたくさん咲いていました。植生保護のためロープが張ってありますので、その外に立ち入らないようにしましょう。

7時10分 継子岳(標高:2,859m)到着


距離的に近くなるので、乗鞍岳や北アルプスなどがよりはっきり見えます。


7時22分 継子Ⅱ峰到着


四ノ池まで下りてきました。四ノ池は池というよりも湿原という感じ。

途中川が流れているところがあります。水に触れてみると冷たくて気持ちいい。暑かったので、頭から水をかぶってクールダウン。


四ノ池を過ぎてしばらくするとまた三ノ池が見えてきます。一ノ池から五ノ池までありますが、現在豊富な水を湛えているのは唯一、三ノ池だけです。

池のリフレクションが美しい

女人堂さんで用意してもらったおにぎりで三ノ池を眺めながらの朝飯。

おにぎりを食べて休憩していたら何やら急にガスが上がってきました。


三ノ池は竜神様が鎮座される御嶽山の中でも神聖な場所とのこと。池の中に立ち入ったり池の水で顔や手を洗ったりするのは禁止と書いてあるので注意しましょう。三ノ池の水は御神水と呼ばれ崇められているそうで、持ち帰る人用なのか畔には柄杓がおいてありました。

透明度は高め

脇に目をやると、三ノ池から女人堂のほうに向かうルートが見えます。こうして見てみると山肌が大きく崩れているところがあるので、通行止め解除されたとしても神経使いそうな道ではありますね。

トラバースルートが通行止めなので仕方なく登り返し。なかなかしんどい・・・

登り返しを終えて白竜避難小屋近くの分岐まで戻ってくるとガスに包まれてすっかり辺りは真っ白に。あとは女人堂さんに向けて来た道を戻ります。


9時5分 石室山荘通過

9時43分 女人堂まで戻ってきました。残りの下りの時間を考慮してもバスの時間までは余裕ができたので小屋番さんとしばしおしゃべり。お世話になりました。

中の湯に下山しても何もなく時間をつぶせないので、帰りは六合目中の湯下山ではなくロープウェイ利用で。七合目の行場山荘のすぐ下に分岐があり、10分ほど歩くとロープウェイの乗り場に着きます。今回の登山はこちらで行程終了。
10時15分 おんたけロープウェイ飯森高原駅到着


今回もお天気の読みがあたって良いタイミングで御嶽山に登ることができました。過去には悲しい災害も起きた活火山なのでもちろん常に注意は必要ですが、魅力も多くまた来たいと思う山の一つです。
【行き帰りのバス】
<行き>
木曽福島駅(10:40)→六合目中の湯(11:31)
<帰り>
御岳ロープウェイ(11:55)→木曽福島駅(12:58)
【参考までに】
・入山前にかならず噴火警戒レベルや登山道の規制情報を確認しましょう(木曽御嶽山安全対策情報)。
・ヘルメット持ってきていない方もけっこう見かけましたが、安全のためにヘルメットは必ず持参しましょう。
・夏の御嶽山はガスが上がってくるのが早く午後には雷雨も多いとのこと。景色を楽しむのであれば早朝がオススメ。
・女人堂~三ノ池のトラバースルートは例年8月上旬くらいに開通するそうですが、通行を考えている人は事前に女人堂さんなどに確認しましょう。
・平日の女人堂さんは空いていて穴場だと思います。清潔だし、和室が落ち着く。スタッフの方も好印象。
・御嶽山は噴火災害対策のためなのか山中でも携帯の電波がよく入るエリアが多いです(au)。
・ロープウェイ乗り場の券売機や自販機はほとんど新1000円札に対応していなくてちょっと困りました。
